〜ねぇ、ぽー。
この世界で起こることに、
偶然はひとつもないんだって。
初めて君を見かけて、
気になって仕方がなかったことも。
うちの庭で生活をし始めた、
あの暑い夏の日も。
家族となって一緒に暮らしたことも。
初めて心触れ合う喜びも、
一緒に眠った夜も。
それがもしも本当に運命で決まっていたとしたら、
神様になんどもお礼を言わなくちゃね。
君と出会えて、
一緒に過ごす運命を準備してもらったのだから…〜
ある日公園に現れた、
ブサイクな一匹の野良猫。
「ぽー」と名付けられたその猫は、
他の猫がご飯を食べ終わるのを陰でじっと待っている、
遠慮がちな猫でした。
彼の体はいつも汚れ、傷ついていました。
実は、ぽーは“町内最弱”で、
まわりの猫たちからいじめられ続けていたのです。
ぽーは、町内最弱の地域猫でした。
あまりにもいじめられているので保護したのですが、
うちの中でも最弱になりつつあります……。
とほほ。
ぽーがうちに来て、もうすぐ3年が経とうとしています。
私やカミさんに甘えて、
周りの猫たちにも受け入れられ、
穏やかな日々を過ごすようになりました。
“町内最弱”の野良猫ぽーが、太田家最弱の家猫ぽーに!
遠慮がちで、いじめられっこだけど、
どこにいてもやさしい猫「ポー」の写真エッセイ♪
『やさしいねこ』
深谷かほる氏の漫画『夜廻り猫』(講談社)で描かれて注目を浴びた、このやさしい猫「ぽー」の物語を綴った写真エッセイ。
ぽーを描いた深谷氏の漫画も2本収録。
『やさしいねこ』1188円